生きていると、どうしようもなく辛いことが起こることもあると思います。
しかし、今は辛くてもいつかは立ち直り前を向いて、少しでも良い方向に向かうことができたら、限りある人生をまた楽しむことができる日がきっと来ます。
立ち直るために出来ることは色々あると思いますが、ここでは一つの方法として一人ですぐに出来るExpress Writingというものを紹介します。
辛い出来事を乗り越えるためのExpressive Writingという方法
辛い出来事を乗り越える方法の一つとして、様々な研究によってその効果がわかっているExpressive Writing※1という方法があります。
Expressive Writingは下記のように行います。
- 20分程度時間をとる。
- 辛い出来事について、自分の持った感情や考えを深く振り返り、それを何かに書き出す。紙でもスマホでもどこでも大丈夫です。
- これを数日~1週間程度続ける。
また、その時のポイントは下記です。
- 起きた出来事の事実ばかりを書くのではなく、その事実を自分で咀嚼し出てきた感情や考えを書くこと。
- 辛い出来事についてのみを書くのではなく、今後の人間関係や人生の過ごし方をどうしたいか、などに繋げることを意識すること。
Expressive Writingの効果
Expressive Writingを行うと、短期的には気分が落ち込むことがあります。 しかし、Expressive Writingを行ったグループとそうでないグループを比較すると、長期的には下記のような効果があるそうです。(そのメカニズムについては諸説あるものの、まだはっきりと分かっていないそうです。)
◇身体・精神への効果
- 抑うつの軽減
- 病院に通う回数の減少
- 血圧の低下
など
◇行動への効果
- 仕事を休む回数の減少
- 仕事を失った後新たな仕事に就くまでの期間の減少
- 学生の場合、成績の向上
など
また、別の研究※2では、辛い出来事だとしてもそれを転機だと考え「結果的に今後良い方向に向かうための足掛かりになるだろう」とポジティブに捉えることは、今後の幸福度につながるというものもあります。
誰かに聞いてもらいたい場合
Expressive Writing自体は紙とペンさえあれば一人で行うことができます。
しかし、誰でも良いので吐き出したものを聞いてもらいたい、という場合もあるかと思います。
そのような場合に使えるツールを紹介いたします。
◇まもろうよこころ(厚生労働省のサイト)
厚生労働省の「まもろうよこころ」というサイトに、電話やチャットで気軽に話を聞いてもらえる場が紹介されています。 無料・匿名で土日も含め対応してくださるところもあります。
◇日常つづり場
一対一の電話やチャットは気が引けるが、匿名でとりあえず誰かに聞いてほしいという場合は日常つづり場がおすすめです。
日常つづり場は、日記をつづり今同じ時間を生きている人たちと共有できる場でアカウント作成しなくても気軽に利用できます。
日記に対してコメントができないようになっているので、具体的なアドバイスや励ましの言葉はもらえませんが、逆に心無い言葉でさらに傷つくこともありません。
「年表」という自分史を作成する機能もありますので「結果的に良い方向に進むための転機だったな・・」と将来振り返ることもできるかもしれません。
参考)年表機能について
まとめ
色々書きましたが、辛いときはたくさん悲しんで泣いてよいと思います。
少しずつ余裕が出てきたらこの記事で紹介したものを試してみてはいかがでしょうか。
何かこの記事が少しでも助けになれば幸いです。
注釈
※2 関西大学での研究より(https://cir.nii.ac.jp/crid/1050282677891902592)